ピザ店を開業したい!開業資金や開業に向けての準備を解説!
ピザ店の開業にあたって失敗しないためには、必要な資格や設備、それらを用意するための開業資金だけでなく、成功のためのノウハウなど様々なことを知っておく必要があります。ここではそうしたピザ店の開業を失敗させないために必要な知識について詳しく解説します。
ピザ店の開業の流れ(移動販売、キッチンカー)
では、次は移動販売やキッチンカーでの開業の流れを詳しく解説します。
1.フランチャイズに加盟するか、自社でレシピやメニューを開発
移動販売やキッチンカーでは販売場所を移動させることができるので、まずは立地よりもレシピやメニューの決定を行う必要があります。
このレシピやメニューを決定するにはフランチャイズに加盟するか、自社で開発をするかの2つの選択肢があります。
フランチャイズに加盟する場合は店舗側と同様に各フランチャイズが用意するレシピやメニューを利用することができます。
それに対して、フランチャイズに加盟しない場合には自社で開業するピザ店のコンセプトに沿ったレシピやメニューを開発する必要があります。
2.営業エリア選定
レシピやメニューの決定の次に行うのが営業エリアの選定です。
ビジネス街でランチやディナー需要を狙うのか、イベントに出店をするのか、あるいはその両方を狙っていくのかなど、移動販売やキッチンカーでは様々な場所で販売することができるというメリットがあります。
3.キッチンカーを購入するかリースで用意する
最後に行うのはキッチンカーの調達です。
キッチンカーを購入する場合には新品で200万円~500万円、中古で150万円~250万円程度かかるとされています。
また、リースで用意する場合には契約期間にも変わることが多いですが、1か月で30万円~45万円程度かかります。
ピザ店の開業に必要な開業資金と設備・道具
ここではピザ店の開業に必要な設備と道具をピザ店の規模ごとに
イートイン併設の大規模なピザ店に必要な開業資金と設備
イートインも併設した大規模なピザ店を開業する場合の費用目安は下記のとおりです。
項目 | 金額 |
物件取得費 | 500万円 |
厨房機器費 | 700万円 |
内外装工事費 | 500万円 |
広告費 | 50万円 |
備品費 | 100万円 |
合計 | 1,850万円 |
店舗を借りる場合は一般的に家賃の6か月~10か月程度を一度に保証金として支払う必要があります。
イートインスペースを設ける場合、規模の大きな店舗を借りる必要が生じるため、その分家賃が高くなり、最初に支払う保証金も高額となります。
また、厨房機器費では主に下記のような設備が必要となります。
品目 | 金額 |
ピザ窯(薪窯) | 350万円 |
業務用冷蔵庫 | 30万円 |
業務用冷凍庫 | 20万円 |
その他排煙設備等 | 300万円 |
合計 | 700万円 |
ピザ店を開業する際に最も大きなコストとなるのがピザ窯です。
薪窯は高価な上に総重量が3t~5tにもなることがあるため、設置場所が限定されたり、3か月に1度程度の清掃が必要となるなどメンテナンスも必要となります。
もちろん薪窯ではなくガス窯や電気窯であれば20万円~100万円程度でも調達可能であるため、コストのみを考えれば薪窯よりもガス窯や電気窯の方が経済的ではあります。
しかしながら、薪窯は500℃前後の高温で焼き上げるのに対して、ガス窯や電気窯は200℃~300℃程度までしか温度が上がりません。そのため、焼き上がりの時間の短縮やカリッとした食感など薪窯にしかできないことがあります。
こうしたことを踏まえながらどの窯を選ぶのかを決めることをお勧めします。
宅配専門の中規模のピザ店に必要な開業資金と設備
宅配専門の中規模のピザ店に必要な開業資金と設備は下記のとおりです。
項目 | 金額 |
物件取得費 | 300万円 |
厨房機器費 | 700万円 |
内外装工事費 | 200万円 |
広告費 | 50万円 |
備品費 | 100万円 |
バイク | 300万円(5台分) |
合計 | 1650万円 |
宅配専門であれば店舗の立地については駅前などの家賃が高くなる場所を避けることができ、また店舗面積も小さくてよいため、イートインスペースを設ける場合と比較して大きく家賃を下げることができます。それにともない物件取得費もイートインスペースを設ける場合と比較して大きく低下しています。
厨房機器費については薪窯を導入する場合にはその薪窯が最も大きなコストを占めるため、それほど費用の差は出てきません。
ただし、内外装工事費については店舗面積が小さくなることや、宅配専門であれば外装もこだわる必要性があまりないため、コストを抑えることができます。
このように物件取得費や内外装工事費を抑えることができるのですが、その一方で宅配を行う場合にはバイクを購入しなければなりません。
宅配用のバイクはおおよそ60万円程度で購入することができ、5台分のバイクを購入した場合、総費用はイートインスペースを設けた場合とそれほど変わらなくなります。
キッチンカーのピザ店に必要な開業資金と設備
キッチンカーでピザ店を開業する場合に必要な開業資金と設備は下記のとおりです。
項目 | 金額 |
キッチンカー取得費 | 250万円 |
厨房機器費 | 100万円 |
広告費 | 20万円 |
備品費 | 20万円 |
合計 | 390万円 |
キッチンカーでピザ店を開業する場合、最も大きなコストとなるのがキッチンカーの取得費用です。キッチンカーを新たに購入する場合には一般的に200万円~250万円程度かかりますが、既に自前の車両を持っており、それを改造する場合には業者に依頼して100万円程度で改造を施すこともできます。
厨房機器についてはキッチンカーに店舗で利用していたような本格的なピザ窯を載せることはできないため、高温で焼き上げることは難しいもののコンパクトな100万円程度のピザ窯を導入することになります。
一番美味しく焼くなら薪窯を用意
薪窯はその名の通り薪を燃料として窯を高温にし、ピザを焼き上げるタイプのピザ窯となります。
薪を燃料として使用した場合、窯の中は500℃という高温に達するため、ピザ生地内の水分を素早く飛ばすことができ、わずか1分程度でピザを焼き上げることができます。
また、そうした高温で焼き上げるため、ナポリピザのカリッとした食感を出すことができます。
その一方で、薪は乾燥の程度によって火力が異なるため、火力が安定しにくいというデメリットや高温で焼き上げるためピザ生地を適切に動かさないとすぐに焦げてしまうなど扱うのに技量が必要となります。
そのため、美味しくピザを提供することを重視するのであれば薪窯を用意することをお勧めしますが、技量に自信がない場合には以下で紹介するペレット窯やガス窯をお勧めします。
ペレット窯でコストを減らしながら薪窯のように焼き上げる
薪窯とほぼ同様でコストを抑えたピザ窯がペレット窯です。
ペレットとは森林の育成課程で生じる間伐材や製材工場で発生するおがくずやチップ、樹皮などの木材を固めたものになります。
ペレットは小さな円形状に加工されており、運搬や取り扱いが楽であるうえ、薪と比較して乾燥の程度が一定しているため、ペレット窯は薪窯よりも火力が安定しやすくなります。
また、ペレット窯は一般的に65万円~150万円程度で購入することができるため、薪窯よりも低コストで導入することができるというメリットもあります。
ガス窯ならコストをおさえて手軽に開業
ペレット窯よりもさらにコストを抑えたい場合にはガス窯をお勧めします。
ガス窯は20万円~100万円程度で購入することができるため、初期費用を大きく抑えることができます。
また、ガス窯は火力が安定しているため、簡単に使いこなしやすいというメリットもあります。
そのため、デリバリーのピザ屋の多くがガス窯を採用していると言われています。
その一方で、ガス窯は温度が薪窯ほど高温にならず200℃から300℃程度にしかなりません。
また、温度が安定しているということはどのお店でも同じような火入れとなることも意味しています。
そのため、ガス窯を採用した場合にはピザで個性を出しにくいというデメリットがあります。
ピザ店を開業する際に必要な資格や届出
ピザ店を開業するためにはいくつかの届け出や資格が必要となります。
ここではそれらの届け出や資格について詳しく解説します。
税務署で開業届を提出
ピザ店を開業するためにまずしなければならないことは税務署に開業届を出すことです。
この開業届には以下の4つを税務署に提出する必要があります。
開業届
マイナンバーカード
開業届以外の申請書類
開業届は税務署で直接紙ベースでもらうか、国税庁のHPから入手することができます。
提出した際にもらえる開業届の控えは銀行口座を作ったり、融資を受ける際に必要となったりしますので、押印をもらった上でとっておくことをお勧めします。
また、開業届以外の申請書類については青色申告承認申請書など人によって必要な書類が異なりますので、税務署などによく確認しておいた方が良いでしょう。
営業許可を保健所に申請
次に行うことが営業許可の申請です。
飲食店を経営する場合には必ず保健所に営業許可を申請し、許可を受ける必要があります。
内装・外装工事を行った後に営業許可の申請を出したものの保健所から許可がもらえなかったということになると、内装・外装工事のやり直しとなりムダな費用が掛かってしまうことになります。
そのため、工事着工前に必ず出店地域の保健所に相談をし、問題ないかを確認しておいてもらうことが必要となります。
食品衛生責任者の講習を受け資格を取得
ピザ店を開業する場合、食品衛生法に基づいて食品衛生責任者を各店舗に配置する必要があります。
この食品衛生責任者の資格は約1万円程度の受講料を支払い、6時間の講義を受講することで得ることができます。
講習の具体的な日程や費用は各地域の食品衛生協会によって異なるため、出店を考えている地域の食品衛生協会のHPで確認をすることをお勧めします。
消防署へ防火管理責任者の届出
収容人数が30人を超える店舗を開業する場合には「防火責任者」の資格が必要となります。
この防火責任者には「甲種」と「乙種」の2種類あり、収容人数300人以上の店舗を開く場合には「甲種」が必要となります。
乙種は5時間の講習を受けることで資格を取得することができ、甲種は10時間の講習で資格を取得することができます。
そのため、ある程度のイートインスペースを設けたピザ店を開業する場合にはその規模に応じて防火責任者の資格を取得した上で消防署に届け出を出す必要があります。
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